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【書籍レビュー】大人のための社会科ーー未来を語るために

大人のための社会科 -- 未来を語るために

大人のための社会科 -- 未来を語るために

財政社会学の井手英策氏、
政治思想、政治哲学の宇野重規氏、
社会的選択理論、マーケットデザインの坂井豊貴氏、
日本社会史の松沢裕作氏
の4人が、それぞれの専門分野から現代社会を考察する。
おおまかにわけると

  • 過去と比較しながら今の社会をみる
  • 現状の民主主義や、選挙制度の課題について
  • 現代を支える公正や信頼について
  • 未来に向けた歴史認識についてや、生活、保障の場となる公共について見直す


と、盛りだくさんな内容です。


現代社会における課題をたくさん取りあげ、将来の不安を煽らないよう、丁寧に解説されています。読者に諦めて思考停止しないでほしいという思いが伝わってきます。


個人的におもしろかった箇所を抜粋。

勤労国家とは、働き、所得を得て、自ら貯蓄をする、このことで将来不安をなくす仕組みでした。勤労国家は自己責任によって支えられ、これを家族や地域の助け合いが補完していた


アジア・太平洋戦争期にさらに普及した、勤労という価値観。
それが今でも社会に残っています。憲法にも、労働ではなく、勤労の義務を定めています。
びっくりするのが、憲法の解釈の仕方によっては、勤労の義務を果たしていないと、国による生存権の保障がないと。


戦後になっても、勤労に対する行き過ぎた賛美はなくならず、一般から認められる勤労の水準に、身体的、精神的で満たせないものへの執拗な追及があったりします。


また、引用にあるように、経済成長がプラスありきの頃は、家族や地域、会社が助け合って勤労国家での生活は、成り立っていました。
現代は、家族や地域、会社のつながりは昔に比べて希薄になり、どんどん自己責任の範囲が広がってます。
サポート体制の減少や、自分が勤労できなくなる心配や不安が今の世の中の根っこにあるのかもしれません。


お互いをサポートする社会という点ですが、この本を読んで以降よく考えるようになりました。
(実家にも、近況報告をするようになりました笑)


twitterinstagram、Line、Facebookなどのコミュニティやシェアエコノミーが盛んになるのも、国が保障してくれない箇所をお互いに補完しあいたいからかもしれませんね。


そこで、今はまだ計画段階なのですが、知り合いとイベント(ほぼただの飲み会)を企画中です。最初は、参加できるのは知り合いの知り合いくらいまでで。

個人的にそこで試したいのは、他人同士の信頼が形成される経過を観察したいのと、どういったバックグラウンドの方がリピーターになるのか。
あと、できれば、家族や会社、地域コミュニティとのつながりが地理的に持てない人にとって、何かあった時に、助けを求められる人がいる場になるといいな。