Life is a Beautiful Struggle

jentagawaの平凡な毎日。ウェブ制作、音楽、MIDIコンについて。

【書籍レビュー】コンテンツクリエイター側から見た、インターネット

ドワンゴKADOKAWA川上量生ジブリ鈴木敏夫にインターネットについて、分かりやすく説明をする話。
2015年発行と、少し前に書かれた本だけど、古い感じはしない。

カタカナばかりのインターネットビジネス楽観主義の書籍と違い、アニメなどのコンテンツを作ってる、クリエイター側から見た、インターネットの話で説得力がある。

参考になった箇所で、特におもしろかったところを抜粋。


コンテンツは無料になるのか

コンテンツを消費したりお金を払う人というのは、なにかしらそうせざるをえない自分の中での必然性があるのです。個人の生活リズムの中だったり、周囲の人たちとの社会的な付き合いのためだったり、潜在的なストレスや欲求の解消のためだったり、なんらかの必然性でもってコンテンツに依存するようになるのです。コンテンツを無料でもいいから配布することでプロモーションをするという戦略は、まずコンテンツへの依存をつくるという意味では正しいのです。

コンテンツには、過去の経験からうまれる相場感がないので、依存度で相場が決まるという話。依存させるきっかけとしての無償提供。


コンテンツとプラットフォーム

プラットフォームがコンテンツ側に要求するのは、自分たちだけをなにか特別扱いしてくれ、ということです。なにかおまけをつけるか、仕入れ価格を下げるか、先行発売などある程度のコンテンツの独占期間を与えるかなどです。強いコンテンツであれば大きな宣伝を要求できますし、弱いコンテンツはなにか特別な条件をプラットフォームに提示しないと相手にしてもらえません。

プラットフォーム側とコンテンツクリエイター側の折衝について。
プラットフォームを小売店、コンテンツクリエイターをメーカーとか、別の業種に置き換えができる気がする。この章では、プラットフォーム側の強さについて知れる。


コンテンツのプラットフォーム化

顧客との接点をプラットフォームに依存せずにコンテンツ側が持つ

HULUやNetflixなど海外プラットフォームが牛耳る中で、コンテンツクリエイターはどうするのか。このままではクリエイターが幸せにならない。
顧客との接点を自分達で持つためには、コミュニケーション能力が必須であり、その能力がないクリエイターもいるので代行としてプロデューサーなどがうまれる。

また、コミュニケーションをするために個人情報をいかに集められるかがポイントで、集められない場合は、巨大プラットフォームの支配下に入ることになる。

対して、プラットフォーム側は、定額サービスなどから得た売上で自分達自身でコンテンツを作りはじめる。


オープンからクローズドへ

消費者自身がクローズドで一貫したコンセプトでつくりこまれた製品を好む傾向にあるからです。

消費者は利便性から同一コンセプトの製品やプラットフォームに依存するようになる。さらに、依存しているプラットフォームに自分の情報が蓄積されるようになると、プラットフォームが行政の機能も担うようになるとのこと。

普段、Googleの規定やアルゴリズムに振り回されたり、必死になって対応したり。みんなGoogleのプラットフォームにめちゃくちゃ依存しており、Googleの公式アナウンスがまるで法律のような状態であることからも、実感できる。


電子書籍の未来

情報の爆発にともなう内容の低レベル化を考えると、無料ウェブ上で広がっているハイパーリンク網とは別に、有料の電子書籍間でのハイパーリンク網が、インターネットの新たな知のネットワークを構築する可能性があるんじゃないかと期待しているのです。

めちゃくちゃおもしろいと思った。情報の精度が高い、別のインターネットの存在。
まぁけど考えてみれば、wikipediaとかも自社サービス内でキーワードをリンクしてるし、実現レベルの高い話し。



以上が印象に残った箇所。

今回、特にコンテンツとプラットフォームに着目して抜粋しているが、その他にもUGCビットコインネット世論などについても言及している。

また、ネット原住民:現実社会に馴染めずインターネットを拠り所とする人、デジタルネイティブ:うまれたときからネットがある人、インターネットをツールとして使っている人、など様々なユーザーがいることも、インターネットビジネスを理解する上で、重要視している。